1972年のウルグアイ空軍機571便遭難事故を題材とする人間ドラマ!
作品情報😀
作品名 | 雪山の絆 |
制作国 | ウルグアイ/スペイン/チリ |
配信日 | 2024年1月4日 |
上映時間 | 144分 |
ジャンル | 実話もの/ヒューマンドラマ |
映画サイト評価 | ◎Filmarks: ◎映画,com: |
あらすじ📒
『雪山の絆』予告動画🎬
✔『雪山の絆』観る前に気になるCHECK POINT👍
作品の口コミ紹介!
ネタバレ無し感想📒✨
この作品って実話なの⁉
この事故は、1972年にウルグアイ空軍の571便機がアンデス山脈に墜落し、乗員乗客の一部が長期間のサバイバルの末に生還した事件です。以下は、Wikipediaから事故の流れを簡潔にまとめた内容になります。
10月12日(木)
ラグビーチーム『オールド・クリスティアンス』のメンバーとその家族や知人ら、合計40人が、チリのサンティアゴでの試合に向かうために、ウルグアイ空軍のチャーター機(フェアチャイルドFH-227D)を利用してモンテビデオを出発。
アンデス山脈での悪天候のため、アルゼンチンのメンドーサで一晩を過ごすことになる
10月13日(金)
飛行機はメンドーサを出発し、アンデス山脈を越えてサンティアゴに向かう。
天候の影響で、山脈の切れ目であるプランソンを通過し、山脈を抜けてサンティアゴに向かうルートが選択された。
パイロットはクリコの位置を航空管制に通報。しかし、この位置報告が後に誤りであることが判明。
強い向かい風により予定よりも時間がかかり、山脈の切れ目を抜ける前に北上を開始。その結果、山に衝突。
墜落
飛行機は最初にセレール峰と呼ばれる峰と衝突し、右翼と垂直尾翼が損傷。その後、別の峰と再び衝突し、左翼が失われる。
機体は崖を滑落し、雪に埋まり停止。乗客3人と乗員2人が即死し、初日中に3人が死亡。
サバイバル
生存者28人は高山の厳しい環境で生き延びるために直面。
食料は少量の板チョコレートとスナック、数本のワイン。
救助を求めるために無線機を使用しようとしたが、出力がなかった。
捜索:
ウルグアイ、チリ、アルゼンチンからなる捜索隊が活動を開始。しかし、雪に混じり合う白い外装の機体は空から見つけにくい。
捜索は8日後に中止され、生存者は絶望的な状況に直面。
生存者の情報:
墜落から11日後、生存者はラジオで捜索が中止されたことを知り、自力での脱出を考える。
生存者たちは極端な寒冷と食料不足の中で生き抜く努力をし、約72日後に山から脱出。
開始5分で圧倒的引き込みを魅せるぞ🤫!
今作は、多くのドキュメンタリー作品として映画化され、1972年に起きたラグビー選手団を乗せてチリへ向かっていたチャーター機のウルグアイ空軍機571便が、アンデス山脈中心部の氷河に墜落した衝撃の実話を描いている。
この作品、144分と2時間を超える長尺の作品なんですが、全く長さを感じない1つの要因として冒頭5分の引き込みがあると思います。
数々の飛行機墜落を描いた作品を鑑賞してきましたが、最もリアルで恐怖を感じた作品が今作です!
そう、冒頭5分で描かれるのは、この墜落シーンなんです!
歩行器が墜落する瞬間、どれだけの衝撃が掛かるのか…
機体は、真っ二つに割れ、座席は吹っ飛んでいくわ、圧力で押しつぶされるわ…
飛行機の緊急時の対応として、搭乗時に姿勢を低くすることって説明がありますけど、あんなのほとんど意味が無いんじゃないかってくらいに衝撃が身体を襲う訳です。
あれ程の衝撃ともなれば人体なんてもう豆腐みたいなもんですよね。
冒頭5分で飛行機が墜落したらこういう状況に陥りますよって追体験出来る作品でもあり、すごく引き込まれると同時に不安な気持ちにさせるオープニングでした😣!
雪山という過酷な環境と飢餓、雪崩など自然災害と闘い!
冒頭5分以降もずっと引き込まれっぱなしな今作。
引き込まれると言ってもワクワクするような展開では無く、ずっと不安で心臓をギュッと握られているような2時間でした!
それでも、目をそらさず鑑賞出来たのは、これが史実に忠実に描いているからだろう。
墜落から待ち構えていたのは、10月~12月のアンデス山脈という極寒でした。
ここに立ち寄る予定など無かった乗客は、当然、防寒着や雪を踏み分ける防寒靴などの装備がなかった…。
標高3000m以上もある山ってどれ程寒いのか…
人間なんて生存出来る環境であるはずが無いんですよ…
そんな環境に防寒具などの装備も無く、そんな環境に直面する。
初日の夜は、比較的長めに描かれる訳ですが、あまりにも過酷な環境にみんなで寄り添い、温めながら凌ごうと試みる様子が描かれます。
おかしくなっていく友達、言動や行動からもそれがリアルに伝わってくる。
たった一日凌ぐのだって大変なのに2か月以上もこの環境で過ごして生還した人が居る…
本当に凄い。
彼らがこの過酷な環境でどうやって選択し、生き延びる事が出来たのか…
心理的な葛藤/倫理的な観点から人物像を丁寧に展開していくのが今作の魅力の1つで、最後には食料不足に直面した際の問題に関してが大きく描かれています。
実話である事からそこが描かれるのは、明らかであるため、直接的に表現すると、彼らは食料不足の結果、“亡くなった人を食べる”という選択をします。
亡くなった人を食べるという選択が彼らにとってどれ程、大きな決断だったのか…
その亡くなった人とは、そのほとんどが彼らの友人であり、家族だったからだ。
どれ程、恐ろしい決断だっただろうか。
そして、同じような環境に僕が居たと仮定するならそのような行動が取れただろうか。
倫理的どうだとか、生還した後の事実を知った人たちから賛否両論あったみたいだが、あの過酷な環境に直面していない人には発言権も無いってくらいに苦渋の決断だったように映る。
彼らは自らの行為に後ろめたさを感じるように”自分が死んだら食べても良い”と口にします。
はぁ、観ていても心臓が押しつぶされそうな圧迫感があるのに彼らはどういう心境だったのか…
そして、この作品には、冒頭から最後までナレーションがついています。
ヌマ・トゥルカッティという人物から観た墜落事故という感じでナレーションがある訳ですが、彼は最後まで人肉を食べないまま亡くなりました。
彼が最後にみんなに残した手紙には、「友のために命を捧げるほど偉大な愛はない」と記されており、もうね、号泣でしたね😭!
彼のナレーションが彼らの状況が現在どういった状況に陥っているのかが明確になり、不安は感じるものの声のトーンが落ち着いている影響か、こちらも冷静さを保っていられる。
彼らが人肉を食べて生還した事に関して、その後、物議を醸すことになったみたいですが、そこを描いていない事で賛否が別れているという印象もあります。
しかし、そこを描かなかった点は僕としては好印象でしたね。
雪山という過酷な環境と飢餓、雪崩など自然災害と闘い!
映画であるが、エンタメとして過度な演出は無く、彼らの心理面を丁寧に描いた作品。
彼らが心に残したトラウマは、どれ程のものなのか…
僕らには、想像も出来ないけど、こういう事実があった事を知っておく必要はあると思う。
元気な時に、体力が余っている時に覚悟を持って是非ね、鑑賞して観て欲しい作品です。